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これは、私が保険会社側の代理人として担当した案件です。

争点は交通事故の態様

幅4mほどの道路で、停車中のクレーン車の付近で、クレーン乗務員であるXさんと、対向方向から進行してきたYさんが運転する車両とが、接触する交通事故が発生しました。

この事故について、Xさんは「クレーン車の方を向いて作業をしていたところにYさんの運転する車両がぶつかってきた」と主張し、他方、Yさんは自分にも過失があることを認めつつも「車でクレーン車の横を通り抜けようとしたときに、Xさんがクレーンの操縦席から不用意に降りてきたために車にぶつかった」と主張し、当事者双方の言い分が異なっていました。

そのため、Xさんは弁護士をたてて、Yさんを相手に裁判を起こしてきました。

裁判所の判断

保険会社を通じて、私がYさんの代理人に選任されました。

裁判の中で、捜査機関から実況見分調書を取り寄せた上で、事故状況についてYさんの言い分をまとめた書面などを提出するとともに、Xさんの言い分には不自然な点があることを指摘し、Xさん側にも交通事故の発生について相応の過失があったことを主張・立証しました。また、Xさんの休業損害の額の適正についても争いました。

その結果、裁判所は、事故態様についてYさんの言い分を概ね認めつつ、人対車両の事故であったことを考慮して

Xさん:40%
Yさん:60%

という過失割合を前提に、賠償額については

請求額1000万円程 ➡ 認容額260万円

という和解案が提示され、そのまま和解することができました。