これは、当事務所の弁護士が被害者側の代理人として示談交渉を担当した交通事故の案件です。

信号機によって交通整理が行われている交差点で、ともに青信号で進入したX(専門学校生)運転の直進するバイクと、右折しようとするY運転の車両とが出会い頭で衝突する交通事故が発生しました。
この交通事故で、Xは第12胸椎破裂骨折による脊髄の損傷、左大腿骨骨折・左下腿骨骨折などの怪我を負い、入院治療・リハビリを経て、両足の膝以下の知覚障害・麻痺などの後遺障害が残存し、後遺障害7級4号(神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの)と認定されました。

相手方からの提示

そして、Y側保険会社の弁護士は、Xに対し、今回の交通事故の発生についてX側にも速度超過などの過失があったとして25%の過失相殺を主張するとともに、賠償額として約4360万円を提示してきました。
そこで、Xは、当事務所の弁護士に、この提示額が妥当なのか相談に来てくれました。

後遺障害の異議申立て

当事務所の弁護士が、X本人や家族から、後遺障害による生活や仕事への影響などを聞き取ってみると、後遺障害の認定がXの現状よりも軽く評価されているように感じられました。
そこで、まず、後遺障害の認定結果に対する異議申立を行うことにしました。そのために、Xや家族から聞き取った後遺障害による支障などを報告書にまとめ、医師からもXの後遺障害についての意見書を書いてもらった上で、これらを基に後遺障害認定のポイントごとに整理した弁護士の意見書も付けて、後遺障害認定についての異議申立てをしました。
その結果、Xの後遺障害については5級2号(神経系統の機能又は精神に障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの)に繰り上げることができました。

また、交通事故におけるXの過失割合についても、刑事記録を取り付けて検討しました。そうしたところ、Y側は衝突直前までXのバイクに気づかないまま早周り右折で交差点を右折しようとしていたことが判り、X側の過失割合についても15%程度に止まることを主張しました。

示談交渉により増額に成功

そして、当事務所の弁護士とY側の弁護士とで示談交渉を続けた結果、

過失割合 25% ➡ 15%

ということで合意ができ、賠償金についても、

提示額4360万円 ➡ 示談額7400万円 (※)

で示談が成立し、提示額から3000万円以上増額することに成功しました。

※ 賠償金の内訳として
・ 住宅改造費  約 180万円
・ 休業損害   約 150万円(アルバイト代など)
・ 逸失利益   約6700万円
・ 慰謝料    約1650万円(傷害・後遺障害を含む)
・ 装具費用   約 250万円(将来分も含む)
・ 過失相殺   ▲15%あり
を含む。