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芸能人が離婚をしたときに慰謝料としてウン億円を払ったというマスコミ報道を見聞きします。ただ、マスコミがいう慰謝料の大部分は離婚に伴う財産分与(民法768条)のことを指しており、離婚原因を作ったパートナー(有責配偶者)に対する慰謝料(損害賠償)とは一応区別されています。
それなのに、なぜマスコミは財産分与という言葉を使わずに一括りに慰謝料という表現を使うのでしょうか。

これは、おそらく戦前の明治(旧)民法の名残なのではないかと思います。明治民法では離婚後扶養や財産分与の制度は規定されていなかったことから、離婚に伴って夫から妻への金銭の給付は、夫の虐待や侮辱によって離婚に至った場合の慰謝料という形で認められていました。
このことから、離婚に伴う金銭の給付は「慰謝料」ということになり、戦後に民法が改正され財産分与が認められた現在でも、離婚に伴って支払われる金銭などは一括りに「慰謝料」と表現されているのでしょう。

なお、夫の不倫が原因で離婚するような場合、妻が請求できる慰謝料の相場については概ね100~300万円くらいと言われています。