これは、私が保険会社側の代理人として担当した交通事故の案件です。
赤信号を見落として交差点に進入したYさんの車両と、青信号に従って進行してきたXさんの車両とが出会い頭で接触する交通事故が発生しました(過失割合については、Xさん0%:Yさん100%)。
この交通事故でXさんは頭部外傷・頚椎捻挫・腰椎捻挫などの怪我をし、8か月ほど通院しながら治療を続けましたが、14級の後遺障害が残りました。
そして、Xさんは弁護士を立てて、Yさんを相手に、損害賠償として治療費・慰謝料・休業損害・後遺障害に関する損害(慰謝料・逸失利益)など約635万円を請求する裁判を起こしました。そこで、私が保険会社を通じてYさんの代理人として、この裁判を担当することになりました。
裁判では、まず、医療機関からXさんのカルテなど医療記録を取り付けた上で、その内容を検討しました。そうすると、カルテに記載されているXさんの怪我の状態からすると、① Xさんの治療期間が長すぎるのではないか、② 治療による怪我の回復によって徐々に働けるようになっているのではないか、③ 交通事故の前後でXさんには目立った減収がないことから逸失利益が過大に評価されているのではないかというといった点を、従来の裁判例や医療文献などを参考にしながら,その適正な額について争いました。
その結果、裁判所から和解案として
請求金額635万円 ➡ 認定額380万円
が提示され、和解が成立し、相手方の請求額の40%分を減額することに成功しました。