雨の降る中、傘を差して片手で自転車を運転している人をしばしば見かけます。

私もかつて高校生や大学生のころ自転車で通学しており、雨が降ったときには傘を差して片手運転で自転車に乗っていました。ただ,クルマを運転するようになって,傘を差して自転車を片手運転している人をみると「危ないな!大丈夫かな!」と思うことがしばしばあります。

では,傘をさして自転車を片手で運転していた人が,もし交通事故に遭ってしまった場合,傘をさして片手運転をしていたことは,過失割合に影響するのでしょうか。

裁判で参考にされる過失割合基準

この点,東京地方裁判所の交通部(民事27部)の裁判官が編集した「判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」という交通事故裁判において当事者双方の過失割合を決める際に参考とされる基準があります。この基準によると,雨天の中,傘をさして自転車を片手で運転していたことは,道路交通法70条に違反することから,「自転車側の著しい過失」と評価され,

概ね5~10%程度の過失

が加算されることになっています。

このように,雨天での傘をさした自転車の片手運転は,道路交通法にも違反することから,是非とも雨合羽を用意して,くれぐれも控えるようにしてください。クルマを運転している身からしても是非ともお願いしたいところです。