これは交通事故の被害者から依頼を受けて物損事故の交渉を担当した案件です。

片側2車線道路で、第1車線を走行していたY運転車両が第2車線側をよく確認しないまま車線変更をしようとしたため、折から第2車線を走行していたX運転車両と接触するという交通事故が発生しました。
この交通事故によってX側車両は損傷し修理に約16万円ほどかかる物的損害が発生したことから、XはYが契約していた保険会社に損害賠償の請求をしました。

加害者側が責任を認めてくれない

そうしたところ、Y側の保険会社からは、Yが「ちゃんと第2車線側を確認して進路変更をしたところ、X車両が猛スピードでやってきたため事故になった。自分は悪くない。自分の車はほとんど傷ついていないので、Xの車両も大して傷ついていないはずだ。保険は使わない。」などと主張しているため、保険会社として示談交渉に入ることができなくなったと言われてしまいました。

このようなY側の対応に苦慮したXから相談を受けた当事務所の弁護士がY側との示談交渉を担当することになりました。

まずは事実確認

まず、事実を確認しなければ話しは始まりません。
Xから交通事故の発生状況を丹念に聞き取るとともに、Y側の保険会社の担当者にも電話連絡をしてYが主張している事実関係を具体的に聞き取ることにしました。
また、写真で双方の車両の損傷状況も確認することができました。
道路の形状はGoogleのストリートビューで確認することができました。

電話で直接交渉

まずY本人に対し事実関係を簡潔にまとめた文書で修理代の請求をしました。
その上で、数日後には電話でY本人と交渉をし、事故現場の状況や双方車両の損傷箇所からすると、Xの言い分に合理的なものであり、逆にYの主張には不自然・不合理な点があることなどを丁寧に説明し、修理代の支払いに応じてもらえるよう交渉を続けました。

そうした結果、Yは自らの責任を認め一括で修理代を支払うことを約束し、数日後にはその約束どおり修理代金が振り込まれました。

なお、仮にYが責任を認めなかった場合には、YとともにY側の保険会社も一緒に訴えるなどして、Y側の保険会社を訴訟という舞台に上げて賠償金を支払うよう求めることになりますが、このような事態にならずに話し合いで解決できて本当に良かったです。