これは、保険会社側の代理人として担当した交通事故の裁判です。

交通事故の態様

右折レーンが設けられていない交差点で、右折しようと交差点中央付近で停止していたX運転車両を、後続車であるY運転車両が左側を通って追い越そうとしたところ、両車両が接触するといった交通事故が発生しました。

X運転車両は動いていたのか

この事故の原因について、Xは、右折する交差点を間違えたことから交差点を直進するために停車したまま後方確認をしようとしたところ、Y運転車両にぶつけられたと主張し、自分には過失が無いと主張していました。
一方で、Yは、X運転車両が動いてきたことから事故が発生したと主張していました。
このように、事故の発生の原因について、X運転車両が動いていたか否かについて、双方の言い分が食い違いっており、示談交渉では話しがまとまらず、Xは弁護士を立てて、裁判を起こしました。そして、Y側の保険会社を通じて、当事務所の弁護士がYの代理人となり、裁判を担当することになりました。

裁判では、Yから交通事故の発生した状況について詳しく聴き取り、その内容を陳述書にまとめ提出しました。また、事故後に撮影されたY運転車両のキズの状態からするとX運転車両が動いていた可能性が高いという鑑定士の調査報告書も提出しました。
他方で、X側は、事故を目撃したという人を証人として立ててきましたが、その目撃証人が必ずしも車両同士がぶつかる瞬間を見ていたわけではないことを反対尋問で明らかすることができました。

裁判所の判断

その結果、裁判所から和解案として、

Xさん側車両が動いていたこと

を前提にして、双方の過失割合について、

X側 60%
Y側 40%

という見解が示され、そのまま和解が成立しました。